しあわせの雨傘:作品を観た感想(16)
しあわせの雨傘
工場のストライキは当たり前、労働条件が酷すぎます。70年代のフランスですから階級の差がとくにあるのでしょう、家柄の格話も出てきました。夫の浮気相手である秘書からも羨望の目で見られるようになるスザンヌの描写は面白おかしいですが、次第に明るみになっていく夫婦揃っての浮気の応酬は、やっぱりフランス映画だなあと思えるブラックなコミカルさ。女の敵はやはり女だったというところもなんだか納得。服装や小道具なんかもキッチュでお洒落。お飾りどころかディスコダンスや歌まで披露しちゃう、とっても素敵な元気になる作品でした。
いやいやえん
2011年7月10日
「しあわせの雨傘」と「新しい人生のはじめかた」
本作は女性の自立を描いた、あるいは女性対男性の覇権争いを描いた作品と言っていいと思うが、もうひとつの側面として、主演女優であるカトリーヌ・ドヌーヴ賛歌でもある。監督の彼女へのリスペクトが映画のすみずみまで表現されている。思い出すのは[新しい人生のはじめかた]、ダスティン・ホフマンの過去の作品の要素を巧みに織り込んで、彼へのリスペクトに満ちている。二人ともそれに値するキャリアと俳優としての魅力があるということであろう。共にそれぞれの国の映画史において新しい歴史を生み出した作家に起用されている。
映画と出会う・世界が変わる
2011年4月8日
「しあわせの雨傘」
本作は雨傘工場が舞台であり、しかもカトリーヌ・ドヌーヴの代表作[シェルブールの雨傘] に因んでの邦題であろうが、この場合は原題の「飾り壷」がぴったりである。ジェラール・ドパルデュー共演ということで、[終電車]へのオマージュも感じられるが、この二人がディスコで歌って踊るとは大サービスである。この作品、女性の自立を描きつつも、その対極にある男性のあわてぶりを皮肉を交えて描いた作品ではなかろうか?私生活では、自分の思うがままに生きてきたドヌーヴだからこそこの映画には説得力があるのだろう。
映画と出会う・世界が変わる
2011年4月5日
しあわせの雨傘(’10)
正直、明るみになっていく夫婦揃っての過去〜現代に渡る浮気の応酬の背景、エピソードは苦笑してしまうコミカルさもあっても、どうも生理的に気持悪かった。これがフランス流大人のドラマ、としても何だか、という感じ。人生模様の味わい等とはどうしても思えず。ドヌーヴの歌はフルコーラス聞けて、健在ぶりに感慨、という分には、見に行った甲斐ありましたが、もう今や[シェルブール〜]のような牧歌的ピュア、というか、ああいうテイストの作品は、根絶気味、と一抹の寂しさも感じました。
Something Impressive
2011年2月24日
映画『しあわせの雨傘』を観て
本作はオゾン監督独特の女性を賛美する姿勢は変わらず、ドヌーブへ対する敬愛の念を感じる作品になっている。それにしてもこの映画を観ていると、'70年代のフランス女性の地位って随分と低く感じるけど実際はどうなのかな?これでは日本と変わらない感じがする。原題の「Potiche」とは直訳すると「飾り壺」だそうだが「お飾り」と言った方が良いかも?ドヌーブはこの映画で真っ赤なジャージーを着用したり、ディスコダンスに興じたりと、相変わらず若さを前面に出しているが、体型だけは誤魔化せず「歳」を感じさせられました。
KINTYRE’SDIARY
2011年2月20日
「しあわせの雨傘」
フランソワ・オゾンが70年代を舞台に描いたユーモラスな人間ドラマは中々面白かったが、オゾンらしからぬあのエンディングには少々あきれた感じ。まぁ映画だから良しとしよう。コメディだし。カトリーヌ・ドヌーヴ/ジェラール・ドパルデュー/ファブリス・ルキーニ/カリン・ヴィアールと豪華な出演者。中でもルキーニの存在はひときわ光る。映画のスザンヌと本人とは真逆のイメージのカトリーヌ・ドヌーヴ。こんな可愛い女性役のドヌーヴを観たのは初めて。スザンヌが住む瀟洒な家から散歩に向かう先は美しい森…ロケはベルギーでされたそうだ。
ヨーロッパ映画を観よう!
2011年2月12日
しあわせの雨傘
★★★ 映画の冒頭では、カトリーヌ・ドヌーブが、なんとジャージ姿で自然の中をジョギングしている様子が映し出されます。夫ロベールが入院してしまったため、「飾り壺」のスザンヌが工場の経営を急遽担う…。コメディータッチの作品であり、笑いを誘うシーンがたくさんありますし、カトリーヌ・ドヌーブが、映画の中で縦横無尽に活躍し、最後に歌まで歌ってしまうというオマケ付きですから、なかなか面白い作品。ですが、後半は蛇足ではないかと。
映画的・絵画的・音楽的
2011年1月29日
しあわせの雨傘
スクリーンにスザンヌがジャージ姿で登場したとき、仕草や声がかわいくて魅了された。いるだけで目を奪われる。いつまでたってもキュートという魅力的な立ち振る舞いでステキでしたわ。自分で楽しみを見つける、さがす、追求するって必要なこと。工夫する前向きな行動、かけている部分かもしれないと反省する部分でもあるように思えました。このスザンヌがこの日常生活から夫の会社の経営にタッチして、やがては大きい視野で家庭から離れていくようなお話です。痛快でした。楽しめた。これからカトリーヌ・ドヌーヴの作品をじっくりとみたいと思いました。
なりゆき散策日記
2011年1月26日
【映画】しあわせの雨傘
冒頭のシーンからキュートでお洒落!これは、女性が自立して、成長をしていくサクセスストーリーでもあるんですね。お気楽そうに見えて、実はしっかりちゃっかりしていた過去なんかも、すごく笑えます(笑) 映像もファッションも音楽も、すっごくお洒落で、どこか現実離れしているような回想シーンは見ていて気持ちが良いです。ラストはどう展開していくのか、不安になるような感じだったけど、全体的に見たら満足度は高め。女性はきっと気に入る作品だと思います。男性目線だとどう映るのかなぁ〜?
☆紅茶屋ロンド☆
2011年1月24日
しあわせの雨傘
期待通り楽しくて、女性のパワフルさを感じさせるような物語でした^^ それにしても今回のカトリーヌ・ドヌーヴは素敵ですね〜!キリッとしてゴージャスな雰囲気は、もう社長夫人そのものです。でも、大人しく専業主婦をしていると思ったら、夫のいない間にどんどんパワフルになっていきます。そして、彼女が自由になろうと決心をした時、彼女の新しい人生が始まって行きました。観終わった時、新しい人生を見つけた主人公の幸せを嬉しく思いながらニッコリした1本です。
とりあえず、コメントです
2011年1月23日
しあわせの雨傘
★★★ もうともかく、カトリーヌ・ドヌーヴがゴージャスです。ファッションや小道具、セットがとってもお洒落。スザンヌが社長になって短期間で工場は劇的に変わります。ふと思ったのですが、心のゆとりって経済力と関係あるのかもと思いました。夫の愛人がスザンヌに賛同し、信者みたいになっていくのが面白いです。ともかく、カトリーヌ・ドヌーヴ!!という映画です。存在感が凄い。コッテコテの芝居をしている彼女ですが、[ダンサー・イン・ザ・ダーク]では生活感の溢れる労働者を自然に演じてました。凄いです。
映画、言いたい放題!
2011年1月23日
*しあわせの雨傘*
今ならそう珍しくもないことですが、70年代は女性が社長になるなど抵抗があったことでしょう。でも主婦していたからといって能力が劣っていたわけではないところが嬉しいですね〜。その後の展開でも女性ならではの家族的な温かさが成功につながったのでしょうね。また愛人関係などもそれまでのブルジョアの家庭ではよくあったことでしたが、大きく流れが変わった時でもありました。ドヌーヴさま映画でもあるわけですが、若いころはあまりにも美しすぎて、冷たくて、近寄りがたい感じでしたが、この作品では一番親近感を感じました。
Cartouche
2011年1月19日
『しあわせの雨傘』(2010)/フランス
★★★★ ずーーっと、旦那様の言うことを聞き、旦那様のけしからんことを見て見ぬふりをし、大人しく生きてきたスザンヌが、そんなに羽ばたいちゃうなんて!って、思わないこともないのですが(笑)、それってある意味、女たちの願望?かもしれませんね。世界は私のために、さあみなさんご一緒に〜!ってなことができるのも、やっぱるドヌーヴ様だからなのですね。その貫録、艶っぽさ、まさに彼女のための映画なんだけど、それが全く気にならない。ふんわりと、でもしっかりと可愛いのです。フレンチポップスもほんと可愛かったですよね。
NiceOne!!
2011年1月17日
しあわせの雨傘
まあ、雨傘で自信をつけたのは間違いないところだけど、終わってみれば単にブルジョワ婦人のサクセス・ストーリーを描きたかったわけじゃなく‥という、ウーマンリブに目覚めてしたたかに成長していくこの時代の女たちを、多少の毒を盛り込んでコミカルに描いた作品でした。が、残念ながらせっかく面白いキャスト、キャラを配しながら途中からドヌーヴ賛歌になってしまった。いよいよ面白くなるかーってところで肩透かしを食った感じといったらいいでしょうか。凝っている割りに心地いいだけで、見所のない中途半端なコメディという印象。
to Heart
2011年1月13日
しあわせの雨傘
物事は何事も見た目通りではない、という教訓。スザンヌは「お飾りの壷」だったのかもしれないけれど、決して中身はからっぽじゃなかった、というのは妻にしてやられたロベールの台詞。こういう話をガツガツと上昇志向も露な、固くシェイプアップされたボディの女優さんに演じられちゃうと、結構息苦しい雰囲気になったんじゃないかと思うのですが、ドヌーヴ様の華やぎで演じられてしまえば、もうだれも抗えません。夫のロベールと一緒になって、だらんと脱力して見つめるしかないし、気がつけば、応援すらしてしまっているかもしれない。
キノ2
2011年1月11日
しあわせの雨傘
★★★★ 赤いジャージをきて森の中をジョギングするスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーブ)。何てキュートなんだろう!歳をとっても一瞬にして観客を引きつけるその魅力は健在です。驚いたのは、デート先のナイトクラブのステージでドヌーブとジェラールが披露してくれたダンス。正しくオゾン監督と俳優たちの信頼関係が作り出した最高に楽しいシーンです。ちょっと最後のシークエンスは大味になってしまったように感じましたが、それとても大女優カトリーヌ・ドヌーブの圧倒的存在感に引きずられる様に観てしまうのだから流石の一言。
LOVE Cinemas 調布
2011年1月10日
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