さまよう刃:作品を観た感想(23)
さまよう刃
★★★ なんかとてもあっさりと言う感じで意外でした。大事な娘が殺されたという事実とエモーショナルな音楽だけでもっているような‥。もうちょっと丁寧に描いてくれないと、長峰はともかく刑事や他の人物の説得力が薄い。長峰にも、あまりに都合よく復讐のきっかけが訪れるので、なんだかなーという感じ。実際殺犯人に対するいろいろな方法が選べるというのが。そういう意味では、残された人々は本当に苦しいですよね。説明台詞だけだったので、せめてその部分だけでももう少し突き詰めてくれたらと思いました。この内容に112分は短い。もったいない感じがした。
映画、言いたい放題!
2010年7月27日
さまよう刃 警察が守るのは警察なのか!!
二人の裁判官が、ゆっくりと階段を上ってゆく。傍聴席には織部刑事。少年の裁判を見届けようとしているのか。そこに真野刑事がモノローグのように織部に語りかける声がかぶさる。まるで人ごとのような口ぶり。私は、警察が裁かるシーンになればいいのにと思っていました。銃の使用が適切だったかどうか?発砲前に語りかけられなかったのか?今回の場合は、川崎にくるまでに十分時間があったはず。ただひとりの肉親を、最悪の方法で失った長峰が、少年に対して、時間をかけてたどり着いた結論、重く受け止めたいと感じました。
もっきぃの映画館でみよう
2009年12月12日
「さまよう刃」
題材としては面白い。現実に少年法の壁で、犯人を死刑に出来ないばかりか、数年経てばまた社会に舞い戻ってくる現行の司法制度の問題点に怒りを覚える被害者家族は少なくないだろう。そういう点では、こうした社会派テーマに切り込もうとする意欲は買える。だが、映画として観てみると、せっかくの題材を生かし切れていない。一番の問題は脚本の弱さである。ビデオに映る娘の姿を見た時の、寺尾聰の迫真の演技はなかなかのもので、一番の見せ場ではあるが、そこだけしか見どころがないというのも困ったものである。
お楽しみはココからだ
2009年11月4日
さまよう刃
ストーリーと演技、そして台詞と同じくらいの強さで訴えかけてくるような音楽と映像に画面から目が話せませんでした。特に、犯人を追い続ける父親を演じた寺尾聰さんの後ろ姿と感情をなくした表情は忘れられないです。また、父親の苦しみを感じつつも娘殺しの犯人と父親を捜索しなくてはならない刑事の葛藤を伝えてくれた竹野内豊さんと伊東四朗さんの演技も印象的でした。テーマが重いだけに、観ていてとてもしんどい部分もありましたけど、とても見応えがありました。
とりあえず、コメントです
2009年10月25日
【さまよう刃】少年法への報復
何だか物凄く淡々としていて…もっとグワっと心を鷲掴みにされる映画になると思っていたので、最後まで平らな空気に、ちょっと肩すかしを食らう。また、誰の心の内も特に明かされず、行動だけを追っていく映像に、登場人物の誰にも感情移入ができず、主役不在の作品になってしまっている気がする。事件の残虐性も極力抑えた演出。追う、追われる緊張感にも欠けているし。制作者は、ただ問題提起の部分だけを掘り下げたかったんだろうな…。そういう悪魔は世の中に本当に存在するのだから。。。
映画@見取り八段
2009年10月23日
さまよう刃
★★★ 親なら絶対そうしたいと思うはず!たとえそれが虚しい行為だとわかっていてもですよ。このような犯罪を犯す加害者青年のような輩は更正の余地もありません。人間として生きる価値の無いケダモノです。やっぱり極刑って必要なんです!何が少年法だよと言いたい。やった犯行と言えば少年とは言い難いものだ! 作品全体としては抑え過ぎた感が否めず、大切な娘の命を奪われたのですからもう少し激しい怒りをあらわに出すべき所は出して欲しかったかなと。
映画道
2009年10月22日
さまよう刃
なかなかに見ごたえのある内容でした。長峰の動機にはおおいに共感するし、自分もペンションの老爺のように長峰に陰ながら協力すると思う。ずっと長峰視線で観てしまいました。長峰重樹役の寺尾聰がすごく良かったですね。娘を理不尽な暴力で失った父親をすごく良く演じていたと思います。素晴らしかったです。少年法が必要かといえば必要だとは思うんですが、だからといって更生のために極刑と免じるとかはありえないでしょ。いろいろと考えさせられる一本でした。
だらだら無気力ブログ
2009年10月22日
『さまよう刃』 試写会鑑賞
★★★ 原作の方が長峰の怒りが強烈に描かれていましたね。登場人物は絞られているおかげで、一人一人違う立場での気持ちが伝わってきました。長峰の台詞は正直多くはありません。それでもその抑えた演技から伝わってくる果てしない絶望感。大声を出さないからこそ余計に感じられる怒り。そして竹野内豊演じる刑事・織部の気持ちがまた痛いほどわかります。その葛藤、苦しみ。法が裁いてくれないのであればこの手で裁く、そう思うことが何故いけないのか。罪と罰について考えさせられます。
映画な日々。読書な日々。
2009年10月20日
さまよう刃
ただ一人の家族である中学生の娘を、少年たちに乱暴された上薬物の過剰投与で亡くした父長峰重樹(寺尾)の無念さは、計り知れないものだ。この映画で特筆されるべきだと思うのは、説明的せりふを極力排除して俳優の演技で人物の心情を語らせている点だ。無駄なせりふが一切ないくらい、そぎ落とされた脚本が観客の想像力を駆り立てている。音楽は控えめで、寺尾聡と伊藤四郎の演技が光っている。最近の日本映画の中では、いい出来だと思う。
とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
2009年10月19日
「さまよう刃 」少年法に守られた悪魔を誰が裁くのか
★★★ 被害者の父の孤独と苦悩に焦点があたり、彼の行動をどこかで応援し、そういうこともアリと肯定している自分に気づく。法律という基準があるからこそ自分たちは理性的に社会と向き合っている。でも理性では割り切れないこともあるだろう。ラストに彼の気持ちが明かされるがそのあたりの種明かしがもっと効果的でないとなんかこの映画の「核」の部分がぼやけてしまったようで残念だった、主人公の葛藤の部分をもっと掘り下げるべきだった。
soramove
2009年10月19日
さまよう刃
★★★ この映画テーマは、復讐劇や謎解きではなかった。結局は正義を守ることの意味と、繰り返される悪と少年法における矛盾と限界を訴えたかったのだろう。重くのしかかるテーマと、寺尾聰の持ち味がぴたりと重なって、なかなか歯ごたえのある作品に仕上がるはずだった…。ところが脚本と演出のまずさが、全てをぶち壊してしまったのである。警察の捜査方法が単純過ぎるし、主人公の動きにも無駄が多いのが気になってスクリーンに没頭出来ない。テーマと俳優が良かっただけに、実に残念であった。
ケントのたそがれ劇場
2009年10月17日
さまよう刃
残念だった部分は長峰が長野へ菅野を追って行って泊ったペンションでの出来事。本では娘さんの方が手助けするんですよね。長峰が復讐する事には賛成できなけれども、そういう理屈では解決できない気持ちで長峰を匿うんですよね。その辺がこのストーリーのラストに繋がっていくのでそこは変えてほしく無かった。もう少し尺の長い映画にしてそれぞれの感情の部分を丁寧に描いて欲しかったですね。せっかく演技派の方そろえてるんだし。しかし、寺尾さんのラストの演技は完全に引き込まれてしまいました。
Diarydiary!
2009年10月16日
さまよう刃
★★★ 寺尾聰は、少女殺人事件の被害者の感情をしっかりと演じきっていたと思います。同じ立場になった場合、自分はどういう行動を取るだろうかと自問してしまうくらい感情移入ができました。また、ペンションのオーナーの木島(山谷)と娘の和佳子(酒井)も長峰が指名手配犯と分かっていながら、長峰に理解を示すなど、とても良い味の出た演技をしてくれました。ただ、重いテーマを扱っている割にストーリーの展開や内容が非常に薄かったことで作品の価値を下げてしまっています。
必見!ミスターシネマの最新映画!
2009年10月16日
さまよう刃 (2009)
少年犯罪をめぐる現代の司法制度や被害者家族の行き場の無い感情、警察のあり方など、心に訴えかけられるモノが色々と詰まっている。そんな重厚なテーマです。小説だとそれぞれの心情や問い掛けが事細かに書かれているんでしょう。それを2時間に集約し見せることを映画ではしなければならないし、原作のテイストを持たせながら作り変えなければならない事もあるでしょうね。今作ではそれらが上手く出来てなかった気がします。寺尾聰の熱演を空回りさせるような演出が目に付き、全く集中できませんでした。
肩ログ
2009年10月15日
【さまよう刃】
映画もやっぱり重い作品。原作では刑事の気持ちに重なって泣けたんだった記憶が…。自分達が守るべきなのは、中学生の女の子を殺した少年なのか-?警察とは市民を守るのではなく法を守ることなのか-。長峰の苦しみは寺尾聡さんからとてもよく伝わってきました。法律が犯人を裁いてくれないなら自分でって思ってしまう気持ちは痛いほど解ります。どんな気持ちでいただろう、どんなに怖かったことだろう、そう考えるだけで叫びだしたくなるくらい犯人が憎いのは当たり前。長峰と絵摩の無念はどこにいくのでしょう…。
日々のつぶやき
2009年10月15日
さまよう刃
罰を受けるべき加害者が少年法によって守られてしまうという矛盾。更生する可能性を信じ、極刑をうけることはまずないわけで、映画中に出てくる暴行して薬を打って死んだら捨てちゃえって感覚を目の当たりにしたら、家族でなくても少年法で守られているのが遺憾としかいいようが無い。だからの復讐の刃を持って、正義の捌きを自ら行おうと決心する父親。子供に手をかけられたら大抵の親は必ずそれが頭をよぎる事であろう。現行の国の法律が何十年も変えられていないというのも問題だ。
映画君の毎日
2009年10月15日
救われない魂たち。『さまよう刃』
★★★★ この映画で見応えがあったのは娘を殺された被害者遺族であり、犯人を殺害した加害者になった長峰を取り巻く人物の様々な目線、そして気持ちの温度差です。第三者の目から見ても復讐は無意味だと頭では分かっているのに感情が付いてゆかないのです…。復讐は自己満足に過ぎない…。でもでもでも…最後の最後に長峰と犯人の少年を追い詰めた警察が取った行動は救われるのでしょうか。長峰自身にとっては娘が殺害された時点でもう自分の未来は無くなっていたような気がします。どれもこれも救われない魂たちのように私は感じました。
水曜日のシネマ日記
2009年10月15日
【映画】さまよう刃
この映画には何もない。感情も葛藤も緊迫感も焦燥も何もない。そもそも物語の主人公が変わっている? 私は長峰役の寺尾聰だと思っていたが、どうやら若手刑事役の竹野内豊だったようだ。この物語の醍醐味は、長峰の被害者から被疑者へという変貌と葛藤、そしてさらにその先を追う緊迫感、そして無事思いを成し遂げられるか、という部分なのに、そこを綺麗さっぱりカットして刑事視点を増やすとか、もやは暴挙としか考えられない。なお、ラストの変更は失笑もの。
新!やさぐれ日記
2009年10月14日
さまよう刃
人間性の欠如した少年たちを、裁くには、自らの手によってでしかなし得ないのか?本当の正義とは、警察とは、法律とは…、重いテーマです。少ないセリフのなか、寺尾聴の抑えた演技が胸を打ちます。長峰(寺尾)の苦悩する姿。悲しい決断。もう最初から涙、涙…。3年ほど前に本を読んでいてかなり記憶はうすれていますがおおよその内容は頭の中に残っています。話の展開がだいたいわかっているので、見ているのがつらく、やるせなかったです。でもずしんと重く、見応えのある映画でした。
花ごよみ
2009年10月13日
「さまよう刃」みた。
★★★★ 最初の復讐は、きっと抑えきれなかった激情に駆られてのことだったと思う。でもそのあとの行動は、結果のとおりの事だったのかなぁと、捜査本部に宛てた手紙をマスコミにリークしたのは長峰自身だろうしね。法的に極刑をもって裁けないのであれば、何が一番極刑に近い制裁となりうるのか。死ぬこと以上に辛いものとは。警察官として、時に葛藤する織部を叱責しながら、一番理解していたのはベテラン刑事の真野だったように思う。見事なキャスティングで俳優陣が素晴らしかった。
たいむのひとりごと
2009年10月13日
☆さまよう刃(2009)☆
★★★★ とても地味で淡々とした作りでしたが、キャストが良かったので飽きずに観れました。が…ツッコミどころは感じました。ですが割り切れば、当事者となってみなければわからないさまよう心情を描いていたような作品に感じました。大きな感動とか号泣とかはありませんが、長嶺のやり場のない怒りや哀しみを感じながら、いくら残虐な犯行でも少年法に守られて、その罪の重さに見合う量刑がなされない法律の現状、市民よりも法律を守る警察、現代社会における正義とは…いろいろ考えてしまいました。
CinemaCollection
2009年10月13日
*さまよう刃*
なんとも重く、深く、一体誰の味方をしていいものか?罪と罰って何なのか?考えさせられました。"少年法の実情"というのも大きな問題となってます。でも被害者の家族としてはそれが許せない…というのもまたとてもよくわかります。特に今回の場合のように加害者がどう見ても罪を又犯しそうな人物である場合、こんな処分でまた同じようなことを・・と思ってしまったのでしょうね。この映画はなんといっても寺尾さんの抑えた静かな、でも秘めたパワーを感じさせる演技があってこそ。。でした。
Cartouche
2009年10月12日
さまよう刃
★★★ 長峰(寺尾)は少年の一人を刺し殺し、もう一人も追いかけます。今の司法制度の矛盾を良く表していたのが、刑事の真野(伊東)と織部(竹野内)。真野はあくまで警察官としての職務に即ち法に忠実であろうとし、織部は人としての情に忠実であろうとしていた。作品の重厚感は、この3人の心の内が織り成す重苦しい雰囲気によるところも大きい。ところが、俳優の重い演技に対して、周りの設定・演出が妙にいい加減なのが気になりました。重要なテーマなのですから、余計なことは考えさせない設定や演出をして欲しかった。
LOVE Cinemas 調布
2009年10月12日
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