隠された記憶:作品を観た感想(6)

隠された記憶
★★★★ ブルジョア家族に送られてきた一本の奇妙なビデオテープから人種差別や利己心といった人間の醜い本質を浮かび上がらせたサスペンス。ミヒャエル・ハネケ監督らしく例によって今回も答えは観る者に委ねられた作品でした。極普通に見える人間が自分でも気付かないうちに罪を犯し、そしてその記憶を無意識の内に嘘で塗り固めて隠そうとしていること、そしてそれは当たり前に存在している事象なのだということこそ、ハネケ監督が言いたいことなのではないでしょうか。こうして書きながらまた違った考えが自分の中で浮かんできます。しかしそれがハネケ作品の楽しみ方ではないでしょうか。
LOVE Cinemas 調布
2011年1月7日

隠された記憶
この映画は、音楽がないためにすごく静かな印象だ、それも不気味な位静かだ。それにゆったりとしたペースで進んでいく。しかし、謎を解くために頭はフル回転している。そして徐々に引き込まれていき、最後にはまさかの展開が…。おそらく映画館で観るよりもDVDで観た方が正解だったと思う。必ず監督のインタビュー映像を見た方がいい。それにしても謎の多い映画だ。好きな人には、たまらない作りになっているが、あまり考えると眠れない悶々とした日々が待っている?
Patsaks
2009年9月10日

[ 隠された記憶 ]「ラストカットに全世界が震撼!」このコピーは余計だ!
前半は、ジョルジュの正体不明の輩に追い詰められる姿に同情するが、後半は次第にコミュニケーションを取らないブルジョアなジョルジュの態度に怒りを持つようになる。 ブルジョアを代表するジョルジュは自分たちのことだけしか考えない、自己中心主義。外の世界を見えていない。ジョルジュが外の情報に敏感であるはずのキャスターという設定は、監督のシニカルさが表れている。
アロハ坊主の日がな一日
2006年6月9日

○隠された記憶 (HIDDEN)
★★★★ ビデオテープを誰が送ってきたかというのではなく、ジョルジュが自身のある「隠された記憶」にどう追いつめられ、いかな悲劇を作り出していくかが描かれているので、ミステリー的にはハッキリした解決を示しません。 ハッキリした答えが欲しい方には不満が残すかもしれませんが、計算された映像で構成されたこの物語は、最後まで緊張を解くことが許されないほど緊迫した展開で進んでいきます。 最も人物を糾弾し、追いつめることの出来るのは実は他者ではなく自分自身だということに気が付かされます。
コブタの視線
2006年5月22日

ミヒャエル・ハネケ - 隠された記憶 (2006)
謎が謎のまま残る作品。観客は皆呆気に取られていた。なんか凄い映画見たなとは思ったが、よくわからん。 なんにせよ、映画を見てから考える時間を与えられるのは面白いです。 ハリウッドみたいに痛快!!している映画もあるけどこういった手法もあるのかと思わず唸ってしまった。
MOVIEVADER
2006年4月30日

隠された記憶 (ユーロスペース)
なんつぅ映画だこりゃ(・Д・)!! それが鑑賞後の率直な感想でした。 観客が答えを必死に探していると、不意に映画は幕を降ろしてしまう。 でも、とにかく凄い映画だった、ということは間違いないです。インパクトで言えば過去に例を見ないくらいに強烈だし、冒頭から途切れることのない緊張感というのは余程の技術がないと出来ないことだと思います。様々な解釈を許す、という点でも僕好みの映画でしたし。
たいようの映画の感想
2006年4月30日


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