青い春:作品を観た感想(1)
『青い春』
本作はとてもスマートな作品だ。伝えているのは心の影。青い年代にある彼らの黒い部分。印象的だったのは暴力シーンの多くをカットした編集。ケンカ、リンチが起ころうとする「ことのきっかけ」の場面から切り替わった画面は「ことの結末」に繋がる。それがここでは非常にスマートなのだ。唯一、青木が2年生をバッドでボコボコにする場面があるが、2年生の姿は映らないし、このシーンの焦点は調子に乗る2年を締めようとしない九條を、哀しみと怒りの混じった複雑な心境で見送るしかない青木の苦痛を表現するところだから。実に「表現」の巧い映画だ。
シネマな時間に考察を。
2010年4月19日
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