影武者:作品を観た感想(1)
『影武者』 (1980)
信玄とその影武者となる盗人と信玄の弟、信廉の三人が織り成す、このタイトルが出るまでの長い1カットが、本作のテンポ、“映像の様式美で体感するドラマ性”といった“鑑賞の心得”ともいうべきポイントを全て提示している。本シーンに何か感じるところがなければ、本作はつまらない映画となる可能性大であるので、まずはご注意を。池辺晋一郎の勇壮な音楽も、これぞ大作!という趣で僕も大好きなのだが、ちょっと本作の前衛的な演出には合っていないように思う。決して面白い映画ではないが、黒澤アートが堪能できる運命劇としては必見の一本といえよう。
相木悟の映画評
2014年10月16日
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