トウキョウソナタ:作品を観た感想(23)

トウキョウソナタ
この感覚は、なんだろう? 恐怖・虚無・したたかさ・強さ・投げやり・疲労感・絶望・希望、なんだろう? とにかくこの映画、小泉今日子がぶっちぎりで面白いです。ゾクゾクします。声だけはアイドルのキョンキョンなのに、その疲れた顔と表情、表情が消え去る瞬間のひんやりした感じ。無抵抗に全てを呑み込んでしまう姿勢が、世界全体をも呑み込んでいく感じ。ここにハッピーエンディングはないかもしれないのに、それにしてもこの、どこに光源があるとも知れない美しい光はなんだろう?
キノ2
2011年5月9日

トウキョウソナタ
一番印象が強かったのが、ある朝、黙々と朝食を囲む場面。何だかんだ言っても、どこで暴走していても、何かを抱えていても、すっかりヨレヨレになっても家に帰ってくる。そこが終点のようにも見えるが、新たな起点ともなるものであって、家族で囲む食卓そのものについてもまた、考えてしまった。そこにありそうで、実は存在していないもの。あるいは、そう見えてなくても、実はそんな姿をしているもの。自分にもあるかもしれない可能性を想像して、自分ならどうだ、と空想してみたりする。
悠雅的生活
2009年8月23日

靴音 「トウキョウソナタ」
家族の崩壊、 あるいは個人の社会からの疎外感を描くというより、 演じようとしていた役割が筋書きの変更によって再考を余儀なくされた状況を描いていると言えるかもしれない。 人生 何度でもやり直しできる、 などと簡単に励ます物語でもなく、 父と母は息子のピアノに静かに涙して終わる。 そしてクレジットロールの後ろで鳴る靴音は何を意味するのだろうか。 新鮮な味わいの映画だ。 弟役の少年も印象的。
シネマ走り書き
2009年4月24日

トウキョウソナタ□ほラーの名手が描く新たな「伝説」
背景は非常にリアルであり、かつタイムリーである。この映画では、現実のようで現実とは違う世界が描かれる。タイトルの「トウキョウ」は、おそらく首都、東京都ではないのかもしれない。映画は冒頭の主人公の自宅のシーンから、異様な緊迫感とこの世の光景とは思えないような雰囲気が伝わってくる。その雰囲気はラストまで支配している。この映画はホームドラマの形態をとりながら、異世界ファンタジーかも知れない。
映画と出会う・世界が変わる
2008年12月29日

トウキョウソナタ 2008-60
★★★ 恵の突然の家出。偶然誰も家に帰ってこなかったので、何の問題も無かったけど、突然の行動はちょっと変だったかな?それまでにも何度か、かみ合ってない事を描写するシーンあったけど、いきなりあの相手との逃避行ですからね…ちょっと変?そして佐々木家、入試のあとあの3人はソナタを奏でることが出来たのだろうか?変です、奇妙です、でもなんか気になる映画でした〜♪
観たよ〜ん〜
2008年10月30日

『トウキョウソナタ』 2008-No68
★★★ 前に進む子供たちを受け入れたくない足踏み状態の夫。大人に近づく長男、"自分"を持ち始めた次男、そんな3人に囲まれながら息苦しくても食卓を囲もうとする妻。そして個々の身に起こったビックリするような出来事は身体も心も"家"に帰るきっかけに。外で起きた大事件だったから、帰る場所がまだ存在するから"家"向かうんだよね。それぞれの苦しさ・虚しく空回りする様子がズンとくる映画です。
映画館で観ましょ♪
2008年10月21日

トウキョウソナタ
★★★ かなり暗い物語なんですが、後半からちょっと雰囲気が変わってきます。意外な展開と意外な登場人物にビックリしてしまいました。人間描写は深いですが、ちょっと好みではない感じ。印象的だったのは個々のカットの美しさです。波打ち際に佇む小泉今日子。海に消えていく轍などが特に印象的。完成度は高いと思いますが、少々とっつきにくかったですね。
5125年映画の旅
2008年10月21日

トウキョウソナタ
黒沢監督って、ホラー、サスペンス系の監督ってイメージがあったので、こういうテーマの映画も撮るんだと興味が湧いたので観てきました。リストラ、人ごとじゃない感じがした。自分もこういう環境になりうることがあるだけに怖かった。長男の米軍志願はちょっとなぁって、動機が浅はかすぎないか。役所広司がですが、この役、役所広司でなくてもいいのでは?何か違和感を感じてしまいました。
だらだら無気力ブログ
2008年10月19日

【トウキョウソナタ】
見ていてとても苦しいです〜自分の存在意義を見失っているお母さんの苦しさが、ジワジワと苦しくなっていく感じがとてもリアルでした。リストラを家族に言い出せない、一家の長としてのプライドを捨てられないお父さんも傍から見ているとちょっと滑稽なんだけど本人は相当苦しかったんだろうな〜と想像できます。この一家は、本当の家族には戻れるのでしょうか?
日々のつぶやき
2008年10月16日

「トウキョウ ソナタ」危い家族の完成形
★★★ その日常が崩れたら、繰り返さないことの恐怖をこの映画に見た、恐ろしい見た目の恐怖よりずっと心底怖いと思った。仕事がなくなるくらいたいしたこと無いと思う、次を探せばいい、新しい何かを見つければいい。でも探しても探しても見つからなかったら…探して、探してそうこうしていると、何を探しているのか分からなくなったり、実は探してなんか居なかったり。心理的な恐怖を味わいつつもキョンキョンの孤独はうまく表現されていた。
soramove
2008年10月15日

トウキョウソナタ
なんとなくですが、この小泉今日子演じる女性の胸中は、女性の視点から見れば、身に沁みて共感できるのかもしれないな〜、と感じました。要はこれ「観る人によって違ったツボを突いてくるんでしょ?的ムービー」だと思うんですよねぇ〜。いろいろ考えさせられる内容かとも思うんですが、意思の疎通と言いましょうか、会話って大事なんだな、と感じる映画でございました。
サムソン・H・トマトマスバーガー
2008年10月12日

『トウキョウソナタ』試写会鑑賞
途中から家族がそれぞれ堕ちていって崩壊していくあたりはアカルイミライを彷彿とさせました。そしてこのままみんな堕ちてバラバラになって壊れていってしまうのかな、と思ったところで、少しだけ光が差し込みます。痛々しいけど、それぞれみんなから伝わってくるものもあり、だからといって全体的に暗いわけではなくて、上手く笑いも取り入れられていて、完成度の高い作品だな、と思いました。
映画な日々。読書な日々。
2008年10月9日

映画『トウキョウソナタ』
一見平凡なように見えて、曰く言い難い印象的なシーンが数珠繋ぎで、家族の崩壊と再生が描かれます。再生とはいっても、一家団欒は、どこにもありません。そこがリアルだし、共感できます。健二がドビュッシーの「月の光」を竜平や恵たちの見守る前で演奏するシーンは、何の説明もセリフもないけど、香川さんと小泉さんの演技とあいまって確かに希望を感じさせます。
健康への長い道
2008年10月8日

トウキョウソナタ
★★★ 家族の微妙な距離を描いたドラマ。感動も複雑だった。香川照之はうまく演じてたと思う。お父さんらしかった。コソ泥役に役所広司は、ちょっと違和感あるけど、憎めない泥棒さんで、ちゃんと溶け込んだ。兄が米軍に入隊するのだけは、唐突で解せなかったが、小泉今日子の「母」を感じさせる引き立て役としてはよかった。
映画初日鑑賞妻
2008年10月6日

『トウキョウソナタ』
★★★ 一家族の生活を切り取った映画は過去幾つかあったが、何故かその全ての映像が暗いトーンだ。噛みあわない歯車は何も陰へ陰へ入ることが必ずしもいいとは思えない。黒沢監督らしいトーンと言えばそれまでだが、濃淡があることでまた家族の陰影もはっきりと見えてくるだろう。しかしながらいつしか壊れかけた家族の絆は少しずつ治癒されていく。そこが少なからず救いになったとは思える。
京の昼寝〜♪
2008年10月5日

『トウキョウソナタ』 (2008) / 日本
★★★★ どの家にも「澱」は存在していて、それは溜めたくもないけどいつの間にか溜まっているもの。皆その「澱」を敢えて見ないようにしながら家族してます。ですがそれがある時、何かがきっかけで、ぐちゃぐちゃにかき回され、沈澱していた家族の「澱」が浮かび上がって水が濁り、そして水が衝撃であふれかえってしまった時…その後始末は一体どうするのか。元通りになれるのか。水は浄化されるのか。
NiceOne!!
2008年10月4日

トウキョウソナタ
可笑しいのに、笑えない "ゆれる" の時以上かもしれない香川照之さんの演技に圧倒されました。あり得ないような展開も、アルかも知れない。あって欲しい展開も、あるかも知れない。デフォルメされたトウキョウ・・でも、本当はもっともっと色んな貌をもっている。歩き疲れた兵士のようだった夫婦が、一筋の優しい光に導かれるように…ドビュッシーの「月の光」に癒されて帰ってきました。
to Heart
2008年10月3日

トウキョウソ\ナタ(ネタバレ注意)
長男が新しい風を持ってきたというのがオモシロイ。・・・次男によるピアノ演奏のシーン。これはもう圧巻と言う他ない。こうあって欲しい理想は持っていてもいいと思が、家族で抱える問題を理屈を語る事で解決…はありえない。すごい一瞬を家族で過ごした。これに勝るものはないのではないか。それがなんなのかいつの時代も説明する事はできない。その表現として「トウキョウソナタ」は成功している。
悩み事解決コラム
2008年10月2日

トウキョウソナタ
キョンキョンが見つめる海。日が昇る前のキョンキョンの瞳や前歯は、暗い海の青に反射した月の光に映えてまるでゾンビのように、異様だが美しくラピスラズリ色に輝く。やがて日が昇り、凍りついたキョンキョンの顔に次第に血の気が戻るのも光のグラデーションで表現される。キョンキョンをこの海に「引っ張って」くれたのが自暴自棄な強盗というのも皮肉だ。
佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン
2008年10月1日

トウキョウソナタ
不協和音しか奏でられない家族に、演奏をまとめる指揮者が現れたのでしょうか?この演奏には、練習というものがなくて、つねに本番で、ミスやズレを修正しなければならないんですけど、それをまとめ上げる指揮者は、誰なんでしょうね。この場合、指揮者が父親でなくてもいいような気がします。
へでいくっ!
2008年9月29日

『トウキョウソナタ』
セリフでなく状況で笑わせられる。笑えないようなシーンで笑いが起こり、深刻なシーンですら笑いがこぼれる。すんなりと映画の世界へ入り込み、家の一員になったような気分。焦燥感をつのらせながらも、いつかはこの家族のテーブルへ戻れるという安堵を感じさせてくれる。生きていればなんとかなると、大きな手で背中を押され、手を引っ張って貰っているみたい。
試写会帰りに
2008年9月28日

「トウキョウソナタ」試写会、感想。
外国人が描いた日本の世界観と言うべき、香りを感じました。会社を首になった事実をひた隠しにする、香川照之が演じる主人。その実態を時にシニカルに、時に笑いありで描いています。外国人がこの映画を観たら、ある意味、現代日本の底辺を描いた一つのサンプルとして捉えられるかも知れません。そんな印象を受けました。海外受けはするかも知れませんが、日本ではどうでしょ?うーん、、、
Beinthedepthsofdespair
2008年9月28日

初日舞台挨拶付「トウキョウソナタ」at恵比寿ガーデンシネマ
心に突き刺さるということでは、ある意味恐怖映画かもしれません。家族って?親子って?…考えちゃう映画でした。たしかに、20年以上家族やってると、いい時も悪い時もあるよね。香川照之がオヤジ役を好演してます。しかし、今どきの日本って40歳過ぎでリストラされちゃうと、あんなに落ちちゃうんですかね?
流れ流れて八丈島
2008年9月28日


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