ミツバチのささやき:作品を観た感想(5)

ミツバチのささやき
姉妹の演技力はもちろん、淡々とした静かな作風が、非常に素晴らしい作品でした。ただしちょっと難解なんですよね。深読みすればするほどグルグルしちゃいます…。少女が直面する現実と自分の繊細な世界との対峙が描かれた作品でした。少し詩的です。絵画のような全体の美しい雰囲気に死を感じさせる描写が内戦後のスペイン事情と重なるのかな。言葉はいらないんです、アナの瞳が全てを語っているから。リンゴを渡すシーンがいいですね。その澄んだ眼差しがあまりにも無垢で純粋でまるで天使みたい。ラストの夜空を見上げて精霊に呼びかけるアナの姿に心打たれました。
いやいやえん
2010年10月21日

「ミツバチのささやき」
★★★★ 姉妹2人は高原の上から、遥か彼方にある村外れの廃家を望む。このシーンは絵画的である。また、エリセ監督の幼女2姉妹の描き方が巧みなことには感心させられる。廃家でアナが精霊であると思っていた脱走兵と出会い、リンゴを渡すシーンは感動的に美しい。映画[フランケンシュタイン]で少女が怪物に花をあげるような雰囲気だ。アナは後日、彼女の精霊に尽くす。精霊とは一体何を意味するのか。本作は少女アナの視線を通じて、独自の死生観を描き、ミツバチの巣のように、人間の生の営みも神秘的であると、強調しているように思えてならない。
シネマ・ワンダーランド
2010年3月24日

ミツバチのささやき
村で観た[フランケンシュタイン]の映画。フランケンと少女の顛末が理解出来ないアナ。しかし、双子のイザベラは「映画に出てくることは作りものだから、死んでないの」とズバリと応える。アナとイザベラの対比で、子供世界と少女世界を分かりやすく表現している。映画の奥深さにはまだ慣れないものの、この映画はオリーブ的な世界感がひしめいている。「ミツバチのささやき」が理解できるまで、まだまだ時間かかりそうな私。しかし、映画深みとは別の世界は直感的に堪能できました。
ここにあるもの
2009年11月11日

ミツバチのささやき
子供ゆえの黒さが垣間見えるイサベラと真っ白すぎる無垢さに懼れを感じさせるアナ。映画というものは大きく娯楽と芸術に分類されると思うがこれは芸術として完成された作品であると感じた。ひとりよがりのアートではない。「これこそが映画だ」といえそうな映画。説明的な台詞は皆無。語らず表す。観せて魅せる。映像の芸術性については筆舌に尽くしがたい。背景・物体・人物の配置と距離感、動線。光と影。窓の紋様。アナの瞳。もはや神がかり的である。この先何十年たっても、傑作であり続けるに違いない。
h
2009年8月10日

ブーリン家の姉妹□あな・トレントに注目!
"ブーリン家の姉妹"で最も注目したのは、ほとんどどの作品紹介では出演者として表示すらされないというアナ・トレントである。役柄はヘンリー8世の王妃キャサリン・オブ・アラゴン。この物語の中に登場する人物たちがほとんど出世という欲望に囚われ、自らを失っていく中で堂々と主張する彼女の姿は非常に目立った。「ミツバチのささやき」では男女を超えた神の領域にある年代の神秘的な美しさをみなぎらせていたアナ・トレントが、ここでは堂々たる女優としてその存在感を発揮していたことに感動!
映画と出会う・世界が変わる
2008年11月2日

このページは、象のロケットパソコン版の『作品を観た感想トラックバック』のページと連動しています。

1.作品ページ

2.観たい作品リスト
3.追加

4.近日公開
5.公開中
6.DVD新作近日
7.DVD新作(2カ月間)
8.DVD旧作
9.超人気作品
0.トップ
アマゾン最安値購入
キーワード: