豚と軍艦:作品を観た感想(1)

豚と軍艦(’61)
モノクロで展開する殺風景な基地の街のヤクザ、女性達の刹那的、うらぶれた日々。早口で叩きつけるような科白が聞こえにくかったりもするし、何か見て楽しいというものじゃないと思いながらの鑑賞。圧巻だったのが終盤の豚の大群が街を駆け回るシーン。欣太の我が身への理不尽さ募る自暴自棄的な心境、その鬱憤、またこの話の中の貧しい日本で蠢く生き様の鬱憤という感覚もあって、なかなかの迫力。久方の今村作品。ある意味、戦後の日本の地を這うような蠢きの断片をざっくり斬った"その時代"漂う作品という後味でした。
Something Impressive(KYOKOV)
2011年9月25日

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