一命 :作品を観た感想(29)

【映画】一命:市川海老蔵の貫禄と三池崇史が描いた武士社会の欺瞞
★★★★ この作品の根底にあるのは、「武士社会」「武士道」というもの疑念だ。三池崇史は、武士社会の「形式美」や立ち回りの「姿」、物語という「型」を見事に描きながら、そうした「形式」の不自然さを指摘する。
ビールを飲みながら考えてみた…
2013年5月4日

一命
★★★ 先日『一命』を観ました。この映画は随分前に、ある演出家から勧められて観たのですが、もう一度観たくなって、観てみました。寛永七年十月、 井伊家上屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が訪れた。 切腹のためにお庭拝借させて欲しいとの申し出を受けた家老斎藤勘解由は数ヶ月前にも同じように訪ねてきた若浪人・千々岩求女の、狂言切腹の顛末を語り、再度、意思を確認する。すると、半四郎は驚くべき真実を語り出すのだした。市川海老蔵のための映画という感じでした。他の出演者も良いのですが、存在感、和服での立ち居振る舞い、立ち回り、さすがです。
映画、言いたい放題!
2012年5月1日

一命
市川海老蔵さん主演。仲代達矢さんが演じた津雲半四郎を演じていますが、どうしても若さが前面に出てしまう。重苦しい中年のうらぶれた感がない。見終わったあと「う〜ん」と悪い意味で唸っちゃったかな。人の世の不条理さを捉えた原作の良さは踏まえられていると思うし、多少あざといが重厚質な演出でみてくれの軽さも上手く抑えられていると思う、ただ回想パートが長すぎるのと演出面でのくどさがありテンポが悪い。雪も必要ない、ラストもいまいちです。
いやいやえん
2012年4月16日

生きて春を・・ 「一命」
あえて3Dで見てみたかった気もする。時代劇を3D、三池崇史と坂本龍一‥さまざまな "え?"が詰まってて、さすがだなと思う^ ^ 市川海老蔵は凄いね。ロバート・ダウニー・Jrに似てる気がしなくもないが、まあそういうことではなくて^ ^ 表情から立ち回りまで、こんな人がいたんだ。ベタな言い方をすると、三船敏郎、仲代達矢にも匹敵する存在感。そしてあたらためて原作がいいなと思う。時代劇は詳しくないのだが、こんな武士道へのアンチテーゼがあったのか。とにかくノリに乗ってる三池監督、次の 「愛と誠」 はそこそこ詳しいはずだが、本当にさまざまな企画が彼の回りに集まってきて、苦手な時代劇も身近にしてくれる。
シネマ走り書き
2012年4月14日

「一命」  本当に大事なものは・・!?(*゚∀゚)
★★★★ 一命って深い題名も納得の非常に重厚感のある考えさせられる映画でっす 善や悪ではなく家族を守るための一人の侍 そして真の武士道熱い男の映画ここにありっすよ 皆さん、これ見なきゃ損ですよ〜ホンマええ映画でしたので 現代の日本人に今必要なものがこの映画から伝わって来ますよ本当に大事なものは何なのか この映画で実感してください
ジョニー・タピア・Cinemas
2012年4月14日

『一命』 武士道はあれど、その道を歩く者なし。
「千々岩=いい人」をいくら押しても乗り切れない理由のひとつとして、彼は建前とはいえ「切腹させてほしい」と言っちゃっているわけで、理屈だけでいうなら井伊家のほうが筋が通っています。そして主役の津雲半四郎は武士には見えませんでした。以前[切腹]という映画を観たので、半四郎がアレを隠しているのを知っていたことが評価を辛くしているのかも知れません。そんなに強いんだったら、道場を開いたら、たちまち門下生が殺到して、生活が潤うのに…。千々岩も狂言自殺なんかすることはなかっただろうに、なんて思いました。
23:30の雑記帳
2011年11月5日

映画「一命」映像がちょっともったいつけすぎ
★★★ まさに「赤貧」という感じの彼ら浪人の暮らしを見てると、何か他に方法は無かったのか、今となっては無駄に強い武術も虚しさを一層際立たせる。確かにむごい事実は感じるが、父親が乗り込んでくる程の事なのかな。親バカここに極まれりって感じ。もちろん彼は息子にこんなことをさせてしまったという自分自身への怒りを、こんな形でしか発散させる術を見つけられなかったのだろう。海老蔵のカッと目を見開いた見得は確かに迫力満点。役所広司の溜めの演技も素晴らしい。演じるという点では全員素晴らしいと感じたがテーマがもうひとつピンとこなかった。
soramove
2011年11月2日

【一命】武士の義・赤備え、クソくらえ
「武士の誇り」の元に堂々と生きている勝ち組武士。わずかな誇りさえ捨てなければならない負け組武士。井伊家の人たちと半四郎の住む世界は、同じ土の上に立っていながら全く違う。見ていて、その伝わらない悔しさが染みていくようだった。海老蔵の目力演技と迫力を思いっきり堪能できる映画である。どの役者さんも、どのシーンも、素晴らしく美しい。見ているのが辛いシーンも多かったけれども、だからこそ心に訴えてくるものも大きかった。今の所、今年の邦画では(今年は見逃しが多いから何とも言えないけど)私的には一番。
映画@見取り八段
2011年11月1日

「一命」 武士の面目と武士の情け
とかく武士というものは、面目や体裁に縛られてしまうものなのですね。本作で登場する沢潟らの侍はいくら"狂言切腹"を行おうとする相手であるからといっても、敬意というものはありません。何かそこには社会全体が固定化され「冷たさ」のようなものを持ってしまったことが現れているよう。本作は時代劇でありながらも、現代のことを風刺している作品に思えました。構成もよくできていたと思います。瑛太さんの切腹シーンは、観ている自分が痛くなりそうなほどの執拗さでした。三池監督という人は、基本的に容赦がない、手加減をしない監督なのですよね。
はらやんの映画徒然草
2011年10月30日

一命
★★★ 原作では、結核に冒された妻や子供の治療代を"狂言切腹"で手にしようとした若き浪人の哀れな顛末と、その理不尽さを暴こうとした義父の誇り高き姿が簡潔に描き出されている。本作は復讐譚の要素をできるだけ排除して製作されている点がユニークながら、その分チャンバラシーンの迫力に欠けてしまった憾みがあるのではと思います。
映画的・絵画的・音楽的
2011年10月30日

一命
運命としての貧乏暮らしを黙って受け入れた者の身の上に更なる不幸が襲う展開が、非常にキツくって御座いましてねぇ。シンプル構造の物語を淡々とした演出で見せる作りがまたその事象をクローズアップしているようで、すこぶるキツくって御座いましてねぇ。そして果たしての結末がまたこれあたしにゃあカタルシスを感じ難い流れになって御座いましてねぇ。故に所感がところは、やっぱ時代劇って絵面的に保つよねと、そう思ったが精々、と。
Death to Mary Pumpkinhead
2011年10月28日

一命・・・・・評価額1650円
★★★★ オリジナルは映画史上に残る大傑作だ。三池崇史監督はオリジナルを驚くほど忠実に、しかし確実にモダナイズし、なかなかに見事な21世紀版の社会派時代劇として成立させている。半世紀近く昔の作品の忠実なリメイク故に、この物語の持つテーマの普遍性が際立つ。硬直した封建社会に生きる、侍という曖昧な存在の苦悩と葛藤、彼らの身に降りかかる不条理は、そのまま現代社会に対する痛烈なアンチテーゼである。400年前を舞台とした侍たちの物語は、この社会における体制と個の対立という、極めて根源的なテーマを改めて問いかけるのである。
ノラネコの呑んで観るシネマ
2011年10月24日

一命
★★★☆ 1962年製作、小林正樹監督の[切腹]は歴代時代劇べストスリーといっても良いほどの名作。主役の津雲半四郎役、セリフ回わしでは海老蔵もなかなか頑張っていたが、仲代の演じた半四郎の表情や仕草の中に、心に秘めた怒り・憎悪・悲しみがにじみ出ていた。斎藤勘解由役は、役所広司が下手ということではなく、三國連太郎には全く歯がたたなかった。セットとか映像美については、さすがに技術の進化や製作費の関係で本作のほうが優れている。総合的にみても本作は[切腹]には遠く及ばなかった。決して出来が悪いわけではない。余りにも[切腹]が偉大な作品だったのだ。
ケントのたそがれ劇場
2011年10月24日

『一命』(2D版)
★★★★★ 現在の情況にも対応するような現代劇風の時代劇を作ったことは意外で、面白かった。復讐の対象が個人ではなく、組織や制度、それに従順に従う人々に向けられていることで市川海老蔵の眼光の鋭さが生かされている。作品の出来自体は冗長に感じるところもあった。悲劇の演出も、殺陣の演出も、決してすぐれているとは言えないような気がする。瑛太の死にざまの描写に監督らしさが発揮されてはいた。市川海老蔵というスター俳優の誕生を祝福する映画としてはパーフェクトだったので、気になる点はあったものの、これでいいのではないだろうか。
映画の感想文日記
2011年10月22日

映画『一命』
自らが信じてきた"武士"という概念に裏切られた男が、"武士"とは何なのか、本当の"武士"の精神とは何なのか、本当の"武士"が取るべき行動とは何なのかを、鮮烈に問いかけるこの作品。三池監督が[十三人の刺客]でも描いていた、思考停止に陥ることなく、人間個人として義を貫く男の生き様が本作でも描かれているように思います。様式や形式だけにこだわり、自分で判断することを捨てた人間は、"井伊の赤牛"であったとしても、猫以下の弱い存在でしかない…。この作品にはそんな意図が秘められているように、私には思えました。
Viva La Vida! <ライターCheese>
2011年10月21日

一命
★★★★★ なんか、すんごいわコレ、海老蔵の気迫ってゆーか、あの目ヂカラが!これは観ておいて良かったわ。冒頭の瑛太の切腹シーンは目を細めて、音声だけで…状態だったわ。この話って、どんだけ悲惨な家族なんだよって思いますよね。あの息子が亡くなった時はどん底だと思ったのに、そこへ旦那さまの遺体が…地獄だね。それにしても、この海老蔵は評判通りスゴイ!彼を観てると三船敏郎と重なったんだけど。ラスト、半四郎のあまりの気迫に太刀打ちできないという、なんとも言いようのない迫真の演技。とてもやり切れないお話だった。
やっぱり最終的には自分じゃないの
2011年10月20日

「一命」
橋本忍の脚本をほとんどなぞっている。ところが、クレジットのどこにも橋本忍の名前はない。[十三人の刺客]では、バカ殿のキャラクター設定が秀逸で、いかにも三池タッチの描写があったり、豪快で工夫を凝らしたチャンバラ・シーンもあったりと、オリジナルを超えた楽しい快作に仕上げていたのに、本作はそうしたエンタティンメント性、過激性が身を潜め、暗く重い作品に留まっていたのが残念である。これでは奇才・三池崇史に監督させた意味がない。無論、個人的な思いである。前作[切腹]を観ていなければ、これは十分見応えのある作品である。
お楽しみはココからだ
2011年10月20日

一命
★★★ 市川海老蔵の演技や迫力ある殺陣はさすが歌舞伎役者だと思わせる見事なもの。共演の役所広司、満島ひかりも良かった。瑛太の鬼気せまる切腹シーンも見入ってしまうほど見事。個人的にはラストの、当主の前で取り繕う家老の姿が御家大事の武家社会を如実に表現していた感じがして面白かった。でも半四郎の侍の前にひとりの人間ってセリフには何か違和感を感じた。当時の武士がそういう考えに至るかなと疑問に思った。沢潟らの髷を切るところまでは理解できるけど、井伊家に乗り込んで武士の体面を問いただすのは私怨でしかないなぁと感じてしまった。
だらだら無気力ブログ!
2011年10月19日

一命
★★★★ 竹光だからこその痛み。茶菓子…泣。木刀に負けては面子丸潰れ。流れるような集団殺陣が美しい。形骸化した体面の中心部で心臓に血を取り戻すがごとく達成する半四郎。「乱心者」と言われたあとの言葉が良い。そして,満島ひかりの切羽詰まった悲愴感の体現が素晴らしい!ただ,陣内と半四郎の友情や,困窮の要因が分かりにくいし,何より半四郎と求女が元気に見えて窮状が説得力に欠ける気がした。と,ドラマは弱く感じたが,人間の尊厳を脅かす不平等,赤ちゃんの命を奪う社会には未来が無い!と希望を排除,突き放したメッセージは強烈。
Akira's VOICE
2011年10月18日

『一命』
まずこの千々岩求女の狂言切腹のくだりがとにかく緊迫感があって、なおかつ痛々しいこと。さすがサディスト三池崇史。また随所に散りばめられた対比やメタファーが醸しだす雰囲気も素晴らしい。「静」の映画だからこそ秀でる演出が本当に見事なんですよね。ただ如何せんこの映画は半四郎の回想録が長い長い。こういうバランスの悪さも三池監督らしいんですけどね。最後の大立ち回り。怒りを抑える半四郎の頭上に舞う雪が美しいこと。裏切り者のおかげで関ヶ原を制した東軍が開いた江戸幕府。それは「敵に塩を送る」という美談をも過去のものにしてしまったのでしょうか。
こねたみっくす
2011年10月17日

一命
武士が腹を切る場面はいつ観ても痛々しいのですが、この映画の切腹ほど痛々しいものは観たことがありません。それだけに武士の地位や威厳といった面目を保つことへの非情さ、武士の切腹という事の重さや厳しさを観る側に突きつけてきます。本作は時代劇では初めての3D作品。手前にいる人と奥にいる人の距離感や、屋敷や家の中での奥行きをよりリアルに感じさせようという作りになっているのだと思います。見事だと思ったのはサウンドデザイン。人が隣の部屋や廊下を行き交う足音や着物の衣擦れなどが繊細かつ立体的に仕上がっています。
映画とライトノベルな日常自販機
2011年10月16日

一命
泰平とは雖も、関ヶ原の遺恨が尾を引く世の中で、藩を理不尽に取潰しにされ、やむなく浪人となり、家族を養いながら精一杯生きていた男の、ささやかな幸福とこの上ない哀しみと爆発する怒り。何という理不尽。何という非情。何という不幸…。あまりの痛々しい薄幸さに涙よりも絶望の呻きが出る。現代にも通じる…というか、現代の風刺じゃないかと思うテーマと、惜しみなく前面に出る市川海老蔵の魅力。鬼気迫る形相の、単身の立ち回りもまた格別で、全編、ほんの少しの希望もないのに、何か、とっても凄い作品を観たという充足感に包まれている。
悠雅的生活
2011年10月16日

一命 3D
滝口康彦の「異聞浪人記」を原作に、三池崇監督が最新の3D技術を使って映画化した作品だ。武家諸法度に反したと、安芸備後50万石を没収されて信濃国高井野藩4万5千石に改易させられた。その歴史的事実を元に、浪人とならざるを得なかった男たちの末路を描いている。生まれる場所や家が違うだけで、武士の将来が大きく変わってしまう。その現実の厳しさを市川海老蔵と瑛太が見事に演じている。2時間を越える上映時間が全く長く感じないほどのすばらしい作品だ。
とらちゃんのゴロゴロ日記-Blog.ver
2011年10月16日

『一命』・・・武士の誇りと男の尊厳
死んだ猫、割れた卵、破れた障子、止まぬ雨、積もる雪…こうした一連のネガティブな描写が、幸せを掴み切れなった一家の悲しい末路を暗示するかのようで切ない。娘夫婦と孫を一度に失った男は、命の尊さを誰よりも知ることとなったこの男は、他人の命を奪わない覚悟で伊井邸に乗り込んだ。海老蔵のキレのある剣さばきがすごい。本作での彼には悔しいけれど終始魅せられっぱなしだった。結局のところ救いのない悲劇。広間に飾られた紅い鎧をほれぼれと眺める殿様に対し家老の斎藤が清々と口にする"誇り"の一言が虚しく重い。これぞ傑作。
SOARのパストラーレ♪
2011年10月16日

三池崇史監督 「一命」
素晴らしかった!傑作です!今回の映画は…家族の愛vs組織の面子。そう感じました。役所さん演じる勘解由。井伊家の家老として公私の区別をちゃんとしてて、迷いがありません。だから途中、勘解由の方が正しいとさえ思えちゃう。さすが今一番の俳優、芝居の間の取り方絶妙!そして市川海老蔵さん。数十名の武士を圧倒する殺陣はまさに歌舞伎 美しいです!監督の三池さんはどんな演出をするのか、観るまでは怖い気がしてましたが…良い意味で裏切られました。切ったはったが嫌いな人にも是非観てもらいたい。お薦めです(^-^)b
映画と読書とタバコは止めないぞ!
2011年10月16日

映画「一命」感想
本作は切腹をメインテーマに扱っていることもあり、最初から最後までとにかく暗い話が続きます。彼らが「狂言切腹」に至った経緯も理由も不幸そのものです。また、作中の演出や舞台も、全体的に「貧乏な江戸時代」を前面に出しているイメージがありました。内容が地味かつ暗いこともあり、本作は、お世辞にもハリウッド映画のように大衆受けする内容のストーリーとは到底言えたものではないですね。時代劇が好きという人か、出演している俳優さんが好きという人ならオススメでしょうけど、人によって好みが分かれそうな作品ではあります。
タナウツネット雑記ブログ
2011年10月16日

一命2D
実は求女は具体的理由を説明していなかった。ぐずぐずしている内にお互い取り返しのつかないことになったというのが真相だろう。よって半四郎の怒りも空回りしている。井伊家の剣の立つ衆を簡単に仕留めて3人の結髪を見せつける。実は武士の誇りにこだわったのは半四郎ではないか。まるで武士の誇りと情が相容れない対立概念のように提示されているがお門違いだろう。事件の不幸は案外世代間ギャップだろう。監督が余計なことに色気出すとろくなことがない。半四郎の最期は文字通り歌舞伎の様式美だ。
佐藤秀の徒然幻視録
2011年10月15日

劇場鑑賞「一命」
序盤の瑛太さん演じる求女の切腹シーンは強烈!中盤、今度は半四郎が語り出す。なぜ狂言切腹を…。胸が締め付けられますね。求女の妻を演じた満島ひかりさんは渾身の演技。女優魂を見せていました。後半は半四郎の大立ち回り。まさに鬼神の如く!!竹光を手にし、プライドも命も全て投げ出して必死で家族を救おうとした武士の"生き様"に感動。鬼気迫る捨て身の半四郎に心が震えた。市川海老蔵は存在感のある凄い役者だった!あの目力にやられた。そして一瞬の回想場面に涙。全体を通じてのテーマは心に残るような感じだった。
日々“是”精進! ver.A
2011年10月15日

一命
★★★★ 市川海老蔵の目力は定評があるが、きっと見開き勧解由を見据える眼差しの力強さ、込められた哀しい想い、怒りの感情が見る観る者の心を捉えて離さない。これはもう流石の一語に尽きる。殺陣はこれまた流石の動き。時には優美に流れるように、時には市川家のお家芸である荒事の如き荒々しさで、しかもキチッと決める所は決めてくる。他にも満島ひかるの時代劇初挑戦の演技、沢潟たち悪役三侍たちの見事にハマッた演技など、終始見ていて飽きが来ない作品だった。本作最大の欠点はその3D映像だと思う。これには全く意味を見出せなかった。
LOVE Cinemas 調布
2011年10月5日


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