身代わり忠臣蔵 : 象のロケット≪映画DVD総合ナビゲーター≫

身代わり忠臣蔵

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2月9日より全国公開中

2023年製作日　（120 min）

監督：河合勇人　花影　総理の夫　俺物語!! 　チア☆ダン女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話
出演者：
ムロツヨシ　神は見返りを求める　マイ・ダディ　サマータイムマシン・ブルース　川っぺりムコリッタ
永山瑛太　サマータイムマシン・ブルース　嫌われ松子の一生　怪物　まほろ駅前多田便利軒
川口春奈　クリーピー偽りの隣人　好きっていいなよ。　マダム・マーマレードの異常な謎　一週間フレンズ。

林遣都、北村一輝、柄本明、寛一郎

あらすじ：赤穂藩主・浅野内匠頭が、江戸城内で自分をいじめ抜いた旗本・吉良上野介を斬りつけたため、切腹を命じられた。　上野介も重傷を負うが、逃げて死んだとなれば武士の恥で、お家取り潰しの危機！　そこで、上野介にそっくりな弟の坊主・孝証（たかあき）が兄の身代わりとなって元気なフリをすることに。　ところが、仇討を計画中の赤穂藩家老・大石内蔵助と孝証は、ひょんなことから顔見知りになり意気投合してしまう…。　時代劇コメディ。

原作・脚本：土橋章宏　テーマ曲：東京スカパラダイスオーケストラ『The Last Ninja』

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歌舞伎、テレビや映画等の時代劇でもダントツの人気を誇る「忠臣蔵」。　時代と共に様々な解釈の作品が作られてきました。　本作も大胆な発想で「そーきたか！」と笑わせながら、しんみりさせる場面もあり。　それぞれの忠義心や、武士の情け等、お約束の見せ場は決して外さないのです。　さて、オチはどーなる？？？

＜スタッフ厳選超お薦め映画作品！＞
★★★★

人形浄瑠璃や歌舞伎の演目「仮名手本忠臣蔵」は、元禄14年（1701）3月14日、江戸城内松之廊下で播磨赤穂藩藩主・浅野内匠頭長矩が高家旗本・吉良上野介義央を斬りつけた「赤穂事件」がモデルで、ドラマや映画も数多く作られている。内匠頭は即日切腹。赤穂藩は改易（お取り潰し）となるが、上野介はお咎めなし。それを不服とした元家老・大石内蔵助ら赤穂浪士47名が翌年12月14日に吉良家に討ち入り、上野介の首を取った。もともと創作性の強い物話なので、関係者の人柄や事件の真相等は、今や誰にも分からない。

さて、本作の主人公は忠臣蔵の悪役・吉良上野介ではなく、その末弟・吉良孝証（たかあき：僧籍の弟が実際にいたらしい）。ムロツヨシが意地悪な兄と、貧乏坊主の弟を1人2役で演じている。被害者でお咎めなしのはずだった上野介だが、逃げて後ろから斬られるとは武士の恥で、もし死ねばお家取り潰しだと言われてしまう。そこで吉良家家臣・斎藤宮内（林遣都）は、重傷の上野介そっくりな弟・孝証に身代わりを頼む。ここはムロツヨシと林遣都の、オモシロ名場面！

血も涙もない兄と違って、弟・孝証はお人好し。女中の桔梗（川口春奈）に恋焦がれながらも手は出さず、最初こそ金目当ての身代わりだったが、家臣の人望を得て次第に吉良家のトップとしての役割を果たしてゆく。そもそも上野介が赤穂事件の前に早死にしていたら、勅使饗応役は孝証だったかもしれないし、赤穂事件そのものがなかったかもしれない。能力や人柄より血筋と順番が重視されていた時代、家督相続で泣いた人も笑った人も多かったろう。

もう一つの大目玉が、孝証と大石内蔵助（永山瑛太）が顔見知りだったということ。互いの身分を知らぬまま意気投合し、敵だと分かってからも憎み合うことなどできずにいる。そこからが創作の本領発揮！　飄々としていた孝証と内蔵助それぞれが身の振り方を決意する場面はシリアスで、忠臣蔵としての「格」を感じさせる。ところが、討ち入り最大の見せ場が大立ち回りではなく団体戦のスポーツ競技！　意外な展開に戸惑っても大笑いして大丈夫。さあ一世一代の大芝居、史実を変えずどうオチを付けるのか？　大胆な発想で最後まで飽きさせぬユニークな時代劇。お薦め作品だ。

（象のロケット映画・ビデオ部　並木）

＜作品評価システム＞と＜高度マッチングシステム＞

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